起業して事業がスタートすると必ず必要になるのが取引口座です。
取引先や顧客からの入金を受け取る、家賃や外注費、仕入先、給料などの支払いをする、ありとあらゆるお金のやりとりに金融機関の口座が必要になります。
法人口座を開設するのは、個人名義の口座を開設するのとはちょっと違います。
法人口座が開設できないケースが
実は、新規の法人口座がスムーズに開設できずに断られてしまうケースがあることをご存知でしょうか。
金融機関にお断りされてしまう理由としては、以下のようなものがあげられます。
事務所の実態がない、資本金が少なすぎる、事業内容が不明瞭、といったケースです。
近年の詐欺事件の影響で口座開設は審査が年々厳しくなっています。
身元や事業の目的に怪しい要素があると、架空口座やマネーロンダリング、オレオレ詐欺など疑いがあると見なされて金融機関から取引を断られてしまいますので注意してください。
事業実態を証明する書類を用意
筆者のケースでは、個人事業主のときに税理士のすすめで保証協会付きの融資を受けました。
そのときに税理士の紹介で地元の信用金庫にて口座開設を行いました。
融資の紐付きで税理士の紹介もあったので、何の問題もなくスムーズに口座開設できました。
それまではあまり深く考えずに、学生時代にバイト先の給料受取口座として開設した大手都市銀行の個人名義の口座と、ネットバンクを利用していましたが、事業用口座としてはじめて信用金庫で口座を開設することとなったのです。
その後、法人化した際に日本政策金融公庫での融資を受け、その融資の振込と返済に使用する口座として、大手都市銀行で口座を開設しました。
今思えば、よくぞ審査に通って口座開設ができたものだと思いますが、このときはレンタルオフィス等ではない実態のある事務所を構えていましたし、会社設立手続きを終えて履歴事項全部証明書(登記簿謄本)も持参しました。
住所と固定電話番号の入った名刺と、個人事業主時代の青色申告書も持参した記憶があります。
そして日本政策金融公庫からの融資がほぼ決定していたという点も功を奏したのでしょう。
とにかく自分の事業に実態のあることを証明するための資料は何でも用意するべきです。
取引先との契約書(社判の入っているもの)も有効だと思います。
一般的に法人口座開設に必要とされる書類は以下の通りです。
・定款
・法人の印鑑証明
・代表印
・銀行印
・代表者の身分証明書
口座を開設する金融機関選び
どこの金融機関で口座開設すべきかという点においては、考え方は2つあります。
1.融資、資金繰りを念頭に置いた金融機関選び
小資本起業家がお付き合いすべきは、地元密着型の営業を行っている地方銀行や信用金庫、信用組合です。
将来的に融資の相談が出来る関係を構築する相手として大手都市銀行よりも信金や信組を選んでください。
2.顧客の利便性を重視した金融機関選び
日本全国の個人のお客様から入金があるようなネットショップなどの場合は、よく知られていて多くの人が利用しているような大手都市銀行やネットバンクの口座(楽天やジャパンネット銀行)を用意するとよいでしょう。
複数の口座を作って目的ごとに使い分けすることをおすすめします。