何か事業ビジョンを描き、利益が見込めると判断したとき、ビジネスを始めようとします。
その際、個人事業主として始めることもできますし、会社を設立することもできます。
ここでもし、会社を設立するとなると、どうしても気になるのが、煩雑な手続や設立費用です。
会社設立のデメリット? 費用と時間の問題
会社の設立には、様々な法的、事務的な手続が必要であり、また、設立後も国や自治体に対しても、継続的な事務手続や専門的な書類作成が必要であるため、時間と費用を要することになります。
そのため、小規模なビジネスであれば、会社を設立しないで個人事業で経営していくという選択肢も確かにあります。
会社を設立する際、設立時に初期費用がかかりますし、また、法人であるため、たとえ年間の利益がゼロ、もしくは、赤字であった場合でも法人住民税を支払わなくてはなりません。
これらは、個人事業であれば支払わなくてもいい費用であり、ビジネスのリスクを考慮すると、ビジネスがある程度の規模で軌道に乗るまでは、個人事業でやっていった方がコストを抑えられるように考えられがちです。
確かに、一方的な見方をすればそういった例もあるかもしれませんが、会社設立にはこのようばデメリット以上に多くのメリットがあると言えます。
会社設立のメリットとは? 社会的立場の確立
ビジネスとは、自分たちの事業だけで成り立つものではなく、取引業者とのつながりで成り立っていくものです。
当然、取引業者との関係は大変重要になります。
また、「対個人」と「対会社」とでは、相手からの扱われ方は全く異なります。
会社でないと取引しないという企業も少なくありませんし、行政の許認可が必要な場合などにおいても、前提条件として会社であることが求められることもあります。
また、求人も、個人事業に雇われるのと会社に入社するのでは、大きな違いと捉えられます。
これらのことから、会社というのは、基本的にビジネスの最低限の権限を与えられた団体と考えることができます。
一定の費用やリスクと引き換えに、社会的な立場を確立できるのです。
また、制限はあるものの、個人よりも経費として認められる範囲が拡大しますし、税制上の優遇がある場合も多く、会社である場合、経営者は出資した範囲のみで責任を負うことになりますので、たとえ事業が破たんしても、個人で借金を負わずに済む場合もあります。
このように、同じビジネスをするとしても、個人でやるより、会社を設立した方が、結果として有利になることがありますので、しっかりと見極めた上で、個人事業をするか、会社を設立するかを選択するようにしましょう。