人口が集中する首都圏は将来の介護問題を抱えており、首都圏在住者の地方への移者を増やす施策が積極的に行われています。
移住者への起業支援の取り組み
各都道府県が知恵を絞って様々な魅力ある施策を行っていますが、山梨県で新たな取り組みが発表されました。
県が県信用金庫協会と県信用組合協会とタッグを組んで、起業支援を行うというものです。
述べ120店舗の営業店のネットワークを活かし、移住・定住の相談窓口を設けて積極的に相談に応じ、移住後の現地住民との間を取り持つコーディネーター的役割も担っていくとのこと。
移住者が県内で起業を行う際の起業支援体制を作り、低金利商品の開発をおこなうそうです。
起業する者にとってどのような魅力ある商品が提案されるのか、興味の湧くところです。
小規模事業者にとって地元の信金や信組などの金融機関はとても大きな存在です。
日常の入出金の取引口座のみならず、事業資金の融資において関係を築いていくことになるからです。
良好な関係を保つことはスムーズな融資にもつながります。
こうした新しい取り組みは各関係筋が成功事例を出すために積極的に動くことが予想されますので、ある意味チャンスでもあります。
山梨県は富士山の世界遺産登録の影響で外国人観光客が増えていますので、こうした背景にピンと食指が動く起業家もいるのではないでしょうか。
他にも、長野県で商店街の空き店舗に500万円補助、島根県で起業コンテスト合格者に1000万の資金補助など、様々な移住支援の取り組みが行われていますので、興味のある方は是非調べてみることをおすすめします。
過去の取り組み
実際にうまくいくものなのでしょうか。
気になるところです。
過去に地方移住者への起業をサポートした事例を探してみたところ、地方の企業誘致などの例が見つかりました。
起業の本社を地方へ誘致し、税の優遇措置を行うなどの策がありましたが、人口増つまり「人の定着」につなげるのはなかなか簡単な事ではないようです。
住みやすい生活環境で人の定着を
うまくいっている例としては北海道伊達市の取り組みがあります。
高齢者が安心して暮らせる町づくりをおこない、生活産業を興すことで雇用を生み出し働くひとの流入を目指すというものです。
伊達市には高齢者向けの民間のマンションが建ち、宅地分譲もほぼ完売。
公共施設を集約させ生活しやすい環境づくりを行った結果、転出者よりも転入者が上回るという成果を出しました。
高齢者介護は日本が抱える大きな問題です。
ベッド数に余裕があると発表された地方都市は転入者が増えていくのかも知れませんが、住みやすさが伴っていなければ人口増にはつながらず、雇用の創出もままなりません。
民官一体となって受け入れ態勢を作っていくことで、移住者を増やすことは可能なのではないでしょうか。
高齢者、外国人観光客、地方移住・・・こうしたキーワードが起業アイディアのホットキーワードかも知れません。