商品の販売は大企業から零細企業、はたまた個人まで、規模の大小にかかわらず、ビジネスを展開していく上で最も重視されるものと言えます。
こうした販売に関する戦略をマーケティング戦略と言いますが、マーケティング戦略と一言で言っても、実に多くの方法があります。
○○マーケティングと呼ばれているものだけでも、相当の数にのぼります。
ですが、大雑把に考えると、これらは二つの戦略に分けることができます。
一つはコストに焦点を当てたコスト戦略です。
価格というのは消費者が購入を考える際に最も参考とするものです。
通常、商品やサービスを購入するとき、価格を知っているものは別にして、必ず値段はチェックすると思います。
このコスト戦略と言うのは単純な安売り戦略のことではありません。
価格に焦点を当てた、よりトータルな戦略を言います。
このコスト戦略以外にもう一つ重要なのが価値に重点を置いた戦略、いわゆる価値戦略です。
商品の値段ではなく、その価値を理解してもらうことで商品購入につなげるのが基本です。
コスト戦略と価値戦略、もっと簡単に言うと値段と品質と言い換えることもできますが、どちらに重点を置いて戦略を立てるかはビジネスの本質的な課題と言えます。
価値戦略の柱の一つがブランド戦略と言えるでしょう。
ブランドというのは、消費者に価値を認識してもらうことで成立するものです。
そのための行動がブランディングであるわけです。
ですがブランド構築はなかなか難しいもので、大企業が多額の広告宣伝費を投入しても失敗するケースも多いのです。
ですから、小資本起業の場合、ブランド構築は相当難しい課題だと言えます。
そうしたことから、小資本で起業した起業家は価格戦略に流れがちです。
価値戦略の中でも、特に格安戦略に訴えることが多いのですが、実はこれは小資本起業にとって墓穴を掘るケースが多いのです。
というのは安売り競争になった場合、最終的には資本力のある大手のほうが有利になるのです。
つまり、資本力が無い人ほど、安売り合戦は避けるべきなのです。
それなのに安易に安売りをすることで、安売り合戦に巻き込まれてしまい、にっちもさっちもいかなくなるのです。
これらのことからわかるように、たとえ困難に思えても小資本起業の場合は価値戦略に活路を見出すべきなのです。
そのためにブランディングを行っていくことがポイントになります。
ブランディングは一朝一夕ではできませんが、時間をかけるだけの価値はあるのです。