事業計画書を作る場合、基本的には書く内容は定まっていますが、一番重要なポイントは、わかりやすいことです。
いくらすごいコンセプトや経営数値が書いてあっても、ごちゃごちゃとややこしく書いてあったり、ひたすら難しい文章で説明してあったりすると、読む側がイメージできず、納得できない内容が出る可能性があります。
数値の整合性は当たり前ですが、見た目がわかりにくかったり、理解ができなければ、信用性が一気に失われるため、そのことを留意した上で、短くても明確な内容にすることを心がけてください。
信用性が失われた場合、融資条件に影響したり、関係会社との協力関係にも悪化をきたす結果となり、最悪の場合、事業を始めることができないこともあります。
ベンチャー企業や中小企業の場合、大手企業と違い、格付け会社による格付けランクなどはありませんが、その分、客観的な評価ができないため、関係会社や出資者などの評価が、直接的に経営に影響することがあります。
したがって、事業計画書を作成する場合、客観性とわかりやすさを重視し、必要な項目を、5W2Hに観点で、まずは箇条書きで書いてみてください。
箇条書きの7項目 〝5W2H”
5W2Hは、Why、Where、Who、What、When、How much、How toです。
1.Why
Whyは、事業をなぜするのかという事業目的や事業ビジョンを、企業の経営理念の概念を交えて記載します。
2.Where
Whereは、市場とターゲットです。
どの市場や事業領域に対して仕掛けていくかを明確にします。
3.Who
Whoは、人員計画です。
組織体制についてという点と、誰に対して提供・貢献していくかということも記載します。
4.What
Whatは、商品やサービスの詳細内容です。
概要からそれを購入することのメリットや他社に対する優位性を明確にします。
5.When
Whenは、スケジュールという意味あいもありますが、どちらかといえば、どのタイミングで市場投入するかということを観点として書く方が、アピールにはなるかと思います。
6.How much
How muchは、文字通り、価格です。
商品やサービスの価格はもちろん、売上や利益目標、収支の詳細計画になります。
この部分は、特に数値が重要ですので、根拠のある数値データを明示することを重視してください。
7.How to
How toは、マーケティング戦略です。
どういう手段で、その商品やサービスに付加価値をつけるか、購買意欲をつけるかということを、シンプル、かつ、明確に記載します。
事業計画書のポイント
この5W2Hの他にも、販売方法や流通経路、キャッシュフローの詳細計画や、今後の事業展開、リスクマネジメントなどの付随情報をわかりやすく記載すれば、非常にいい印象を与える事業計画書になります。
ポイントは、出資者が、おもしろい!新しい!これは儲かる!
など、興味を抱かせる内容にすること。
興味があれば、多少のリスクがあっても、融資を出すのが、投資家です。
事業計画書は、言わば企業の羅針盤です。
わかりやすく作れば、社内外に対して、起業後の安心材料になります。
逆に、抜けのあるものであれば、自分たちが一気に路頭に迷う可能性を高めることを意味します。
また、ただの書類ということではなく、社会への貢献を具体的に明示するマップです。
数値の整合性の高さが今後の信頼性につながりますので、事業計画書の数値が、1年後の決算報告書の数値としてそのまま使えるくらいに精度を高めてください。
そうすれば、誰もが期待をいだけるような事業計画書になるでしょう。