起業をする際、あまり着目されませんが、必ずと言っていいほど必要になるのが、人材確保です。
ビジネスの内容にもよりますが、基本的には経営者一人で事業を運営していくことはほぼ不可能です。
たとえ起業時に複数人で立ち上げたとしても、事業を継続的に運営するためには様々な業務が大量に発生するため、新たな人材が必要になります。
起業後に、速やかに人材確保ができなければ、せっかく立ち上げたビジネスも回らなくなり、企業の存続を左右する重要課題になりかねません。
しかしながら、起業時は、経営層しかいないベンチャー企業の場合、社内の制度が整備されておらず、待遇面、人材育成、昇給制度などの人事制度はほとんど決まっていないと思います。
しかし、それでは人材は確保できません。
そのため起業時の段階で、人材確保の必要性をしっかりと理解し、あらかじめ人事制度をしっかりと整備、人材を確保する戦略を組み立てておくことが必要になります。
ベンチャー企業ならではの強みをアピール
ここで問題なのは、ベンチャー企業には実績がないということです。
何か大きなインパクトなどがあれば別ですが、先行きが見えないベンチャー企業に、わざわざ就職しようとしてくれる人は滅多にいません。
中小企業などの場合、経営者の知人関係で協力者を募る場合が多いという現状は、信用性がないということの裏返しです。
大企業でさえ、優秀な人材を確保することが難しい社会情勢ですので、何かしら、他社とは違う何かをアピールする必要があります。
単なる企業情報や事業内容の説明だけでは、絶対に誰も見てくれません。
かといって、大げさにアピールしすぎても、信憑性がないと判断されますし、待遇面を強調すると人事制度への不信感や、経営理念に疑念が生じる可能性があります。
したがって、求人情報は、わかりやすく、具体的、かつ、現実的に伝えるようにしましょう。
例えば、大企業ではできないようなきめ細かいサービスを提供することや、規模が小さい事業でありながら、圧倒的なシェアと安定性を打ち出すことなど、ベンチャー企業ならではの強みで勝負することなどは、有効な手段の一つではないでしょうか。
また、経営幹部と直接的に検討し、事業方針を決定できるなど、ベンチャー企業ならでは、面白さを前面に出すことも一つの方法です。
無理な採用は禁物
しかし、安易に採用してはいけません。
ベンチャー企業はただでさえ少人数です。
そのため、一人一人が大きな歯車の一つですので、適性が合わないから他の仕事を、というようなことはできません。
この会社に本当に必要な人材かどうかを慎重に見極め、無理な採用だけはしないようにしましょう。