起業しようとする場合、多くの起業人は、事業が必ず成功し、大きく発展していくイメージを描いているものです。
逆に、そのような明確なイメージや事業ビジョンがないままで起業すれば、確実に事業は失敗することになるので、事業ビジョンに不明確な点がある時点では、起業をするべきではありません。
事業ビジョンが明確である場合、事業の規模や事業内容、売上や利益、そして人材配置や流通、取引業者に至るまで、事業計画書への織り込みができているはずです。
起業は客観的な市場調査をベースに
事業計画書ができている時点で、業界への参入に対するマーケティングについても、非常に明確になっていなければなりません。
ここで、重要な点は、マーケティングの妥当性です。
参入する業界のマーケティングは、起業する人が一人で判断するべきものではなく、数々の調査機関やマーケティング会社、起業コンサルタントなどを通じて、多角的な情報を収集して判断するものです。
いかに客観的な判断ができているかが、ビジネスの明暗を分けるといっても過言ではありません。
新しくビジネスを始める場合は、基本的に何かしらの新規性があるはずです。
その新規性は、一見、競合他社より大きな付加価値になることもありますが、それを違った角度で見ると、何の価値もないものに見える可能性もあります。
そのため、起業者の偏った好意的な判断材料ではなく、あえて厳しく客観的な見方をした中で、本当にそのビジネスが勝てるかどうか、業界に参入し、安定したボジションを築き上げることができるかどうかをしっかりと見極める必要があります。
マーケティングを起業に活かすには
もっとも難しいことは、新規事業に対するマーケティングは、あくまで仮定条件に基づく仮説にすぎないということです。
将来のことなので、当然、真実はわかりません。
しかし、極めて現状に近い状態を想定した前提条件を検討することは可能です。
起業者や、一部のマーケティング調査の結果だけでなく、顧客対象となる一般人の潜在的なニーズを探るなど、市場に近い立場の声を吸いだせれば、新規性に対するリスクは下がり、業界参入の可能性が大きくなることを意味します。
「質も量もある程度必要」です。
ただでさえ、コストがかかる起業時に、マーケティングなんかに費用をかけられないと思うかもしれませんが、最も重要なコストの一つです。
事業の成功のためには、多少の出費も厭わず、しっかりと誰しもが客観的だと言えるマーケティングの下で、勝てるストーリーを描いて、起業するようにしてください。