製品を販売する場合は、一般的に1年間などの保証期間を設け、その間に発生した不具合などは無償修理をしたり、製品交換に応じたりするのが一般的です。
また、保証期間後も、お客様の希望に応じて有償での修理対応や交換、引き取りなどのサポートを行う必要があります。
アフターサービスはおろそかにされがち
ビジネスで最も注目される内容は、製品の特長や販売額、販売台数、利益などになることが多い一方、アフターサービスでの修理費用、サポート費用などは、ほとんど大きく注目されることはありません。
しかし、ビジネスプランを考える場合、製品やサービスを提供した後に必要となるサービスやサポート費用をおろそかにすると、ビジネス全体の目論見を見誤ることになりかねません。
それほど、アフターサービスとは非常に重要なビジネスアイテムです。
一般的に、会社を設立したての企業の場合、お客様の手に渡った後のメンテナンスなどにまでしっかりとサポート体制を構築できていることは、非常に少ないというのが実態です。
いま扱っている商品、次に攻勢をかける商品などに、経営幹部の意識は集中しがちなため、扱いが終わりかけた商品などについて、よほどの不具合や問題などが発生しない限りは、サポートの動向をじっくり確認して、必要に応じて対策を講じる、などということは、ほとんど皆無と言えるでしょう。
十分なアフターサービスはリピーターを生む
経営の神様といわれる、松下幸之助氏の言葉を借りるとすれば、「完全なサービスのできる範囲で商売をしていくことが大切だと言えます。」の一言に尽きます。
売った後のサービスが不十分であれば、お客様の満足は得られず、結果として、固定のリピーターを創出できず、会社の経営への堅実な発展に貢献することができません。
リピーターは経営に安定をもたらします。
なぜなら、新規顧客の獲得に最もコストがかかるからです。
新規顧客の何割かがリピーターになってくれることで、利益をもたらしてくれるのです。
そのため、ビジネスを始める際、サービスについての体制準備と制度整備は、将来的に最も重要なビジネスポリシーになることを、しっかりと認識しておくことが必要です。
アフターサービスを見越してビジネスプランの構築を
アフターサービスをしっかりと構築することは、様々なリスクを低減する一つの手段であることも忘れてはなりません。
起業する時、製品が完全になくなるまでの長いアフターサービスを見越した上で、ビジネスプランを構築し、社内の人材をしっかりと配置することが、ビジネスの成功につながることを認識しておくことが重要になります。