最近では、それに情報を加えた4要素が企業活動の成否を分けるといわれています。
モノ・カネ・情報は有限、しかしヒトは…?
起業時には、多くの場合、経営資源の4要素は、いずれも少なく、不足している状態にあります。
モノとカネは、トレードオフの関係にあり、モノを豊富にしようと思えば、カネがなくなり、カネを置いておけば、モノは十分に揃えられません。
情報についても、モノと同様であり、情報入手にはカネが必要になります。
そのため、モノ、カネ、情報の3要素については、有限の経営資源になります。
その一方、人という経営資源は、人数でカウントすれば有限のものになりますが、一人一人の個性や専門知識、モチベーション、潜在的な能力などを考慮すると、その経営資源は変動する量であり、個人個人の能力を引きだすことで、少ない経営資源も、非常に大きな経営資源に変貌させることができます。
ヒトの能力を引き出すことに重点を
しかし、逆の発想で考えると、それぞれの精神状態や気力などで、能力の低下が危惧されるため、モチベーションを高く維持できる環境作りもまた重要になります。
たとえば、オフィスの雰囲気や設備、内装、立地条件、待遇面などが異なるだけでも、人の気力は変動します。
そして、個人個人の役割や仕事の動機付けなどでも大きく変動しますので、従業員を単なる一定量の経営資源と考えるのではなく、無限にも大きく変動しうる最も重要な経営資源として、能力を引き出すことに重点を置くことが、経営自体の拡大にもつなげられると考えることができます。
経営の神様として知られる松下電器産業の創業者 松下幸之助氏は、モノを作る前に人を作る ということを掲げていました。
このように、人材を貴重な経営資源と捉えている企業は発展していく可能性を秘めていると思いますが、逆に、人材を単なる駒と考え、粗末に扱っている企業ではせっかくの大きなビジネスチャンスも逃してしまうことになりかねません。
モチベーションを最大限に活かすためには
また、人材のモチベーションを最大限にするためには、周囲からの信頼感や、自己実現の欲求を満足できるように、仕事の与え方にも一工夫を加えることがポイントになります。
仕事一つ一つの与え方や役割、組織におけるポジションなども、個人個人のモチベーションを左右する大きな要素になります。
したがって、各個人の能力を見極めつつ、潜在的な能力やモチベーションを最大限に活かせることを意識した事業ビジョン、組織作り、企業風土などを作りあげるように心がけてください。