会社を設立する際、描いた事業ビジョンを実現するために、事業計画書を作成します。
その事業計画書に基づき、さまざまな準備を進めていきますが、その中でも重要なのは人材の確保です。
適当な募集では、ベンチャー企業には誰も就職してくれません。
従業員のモチベーション維持の重要性とその方法
仕事の魅力をアピールしたり、経営に直接たずさわれることを前面に出して、事業に協力してもらえる人材を集めようとします。
しかし、会社が一定の軌道に乗ると、従業員を増やす必要がありますが、従業員全員が経営に直接たずさわることができるわけではなく、事務、営業、サービスなど、様々な職種のリソースが必要になります。
どの職種にも、うまく人材を集めることができたとしても、従業員のモチベーションを高く維持し続けることは、容易なことではありません。
大企業などの場合、従業員の一部の業務効率が下がってきても、全社的にはあまり影響がなく、影響が出るより前に、何かしら気づくポイントがあれば、対策を講じることができます。
しかし、中小企業や、起業したての会社の場合、従業員のモチベーションが低下すると、生産性や業務の回転率が一気に低下し、経営に大きな打撃を与えることになりかねません。
それを防止するために、経営者は、どのような業務に対しても仕事の目的意識を明確にし、従業員のモチベーションを常に高く維持するようにしなければなりません。
給与体系の変更など、待遇の改善はモチベーションの向上につながりますが、一過性の改善である可能性が高く、常時改善していくことが難しいため、モチベーションを維持するための手段としては好ましくありません。
従業員のモチベーションを常に一定以上の水準に維持するためには、仕事の動機付けとともに、その仕事が会社にとってどういうところに貢献しているか、そして、会社への事業貢献によって何につながるのかということを、経営者が従業員に明確に提示する必要があります。
経営理念の制定とその実践
事業貢献の先には、お客様の喜びや、社会への貢献などが挙げられますが、それを経営理念として制定しておくことで、一つ一つの仕事の結果が、経営理念に通じると考えることができるため、業務が変わったり、仕事がうまくいかなかったりした場合でも、自分が何をしようとして仕事に向かっているかを見つめ直すことができるようになります。
経営理念の制定は、非常に重要なことですが、経営理念をなんとなく制定して終わっているだけでは何の意味もありません。
一つ一つの仕事によって生み出された成果が、結果的に経営理念の実践につながっていることを、従業員に認識させることこそが最も重要なことです。
そのために、経営者は、仕事と経営理念のつながりを明確に記したものを従業員に説明する機会を設けるようにしましょう。